ある星のもとに生まれた人たちへ

ある星のもとに生まれた人たち、もとい、アイドルのみなさん。

 

いつもありがとうございます。

 

あなたたちのおかげでわたしの世界は広がり、日々はより色鮮やかになりました。

 

ライブのために新幹線に乗って遠征したり、新しく動画が上がると分かっている日は、それを楽しみに朝からいつもより少し頑張れたり。

 

これはアイドルのみなさんへ宛てて書いているものですが、あまりにも身勝手なので、どうか誰の目にも届かないといいなと思っています。

ワガママ〜!

 

 

まず最初に、今日も君でいてくれてありがとう。

 

一度しかない人生をアイドルとして生きることを決めて、アイドルとしての日々を全うしてくれて本当にありがとう。

 

アイドルって、楽しいこともあると思うけど(というかあってほしいけど)、大変なこともたくさんあると思っていて。

たった2時間のライブのために半年以上も前から何日もかけて準備したり、リリースイベントのために週末を日本全国飛び回って、それでも月曜日には学生として学校に行ったり。

 

わたしみたいなファンには想像できないような苦労もきっと、たくさんあるんだと思います。

学校終わりに友達とカラオケに行ったり、特別な誰か一人を選んだり、そういう人生もあるのに、それでもアイドルでいることを選び続けてくれてありがとう。

 

わたしの人生はアイドルがいなくても続くし、推しがグループを卒業して芸能界を引退しても、わたしは死にません。

それでも、アイドルが好きでアイドルを応援する人生は楽しいから、きっと今後もそうやって生きていくんだと思います。

 

 

さて、ここから先は身勝手でワガママないちオタクの、身勝手でワガママなお願いです。

 

 

まず、自分のことを大事にしてください。

心と体を大切に、多少の無茶はともかく、無理はあんまりしないでください。

忙しいとは思いますが、できるだけ、ごはんをしっかり食べていっぱい寝て、たくさん笑っていてほしいです。

人前に立つからには外見に気を遣わなければならないとは思いますが、多少ほっぺたがぷにっとしてるくらいの方が安心したりもします。

 

これはあんまり言いたくないんですが、どうか、周りに置く人を選んでください。

アイドルと近い距離にいることを一種のステータスだと勘違いし、それを利用して自分の承認欲求を満たそうとするような姑息で愚かな人間が、悲しいことに少なからずいます。

アイドルとしてのあなたを尊重し、人間としてのあなたを愛してくれるような人を選んでください。

 

恋愛をするなとは言いません。し、言えません。

ただ、うまくやってください。

ステージを降りるその瞬間まで、絶対にファンには知られずに隠し通すという覚悟をもって、誰か一人を愛してください。

疑似恋愛を売りにしてるわけじゃないと言われたら何も言えないけど、それでも大多数のアイドルのファンはあなたたちに対して「誰のものにもなってほしくない」と思っていると思います。

アイドルはファンにとって自分だけの恋人でヒーローで、でも自分だけのものにはならないから、それならば誰のものでもない、みんなのものであってほしいと思うんだと思います。

それと、あなたと付き合っているということをSNSでアピールするような人は選ばないでくれると嬉しいです。そして、あなた自身もそんな真似はしないでほしい。

匂わせってもう、普通に臭いしダサいからね。

 

もし、周りに祝福されるような恋をしたくなったら、ステージを降りたってかまいません。

例えば心ない人にあなたの秘密が暴かれたとして、その時わたしはきっと、裏切られた気分になるんだと思います。

アイドルとしてのあなたに裏切られるよりも、二度と会えない、最初から最後まで自分の求めるアイドル像でいてくれたあなたを思い出して懐かしんで寂しくなる方がずっといい。

誰か一人のあなたになったって、それでもいいからアイドルでいてほしいと思う人もいると思います。

でもわたしは、あんまりそうは思えません。

だってアイドル以外の人生も当たり前に存在しているから。

それらを選べば、アイドルとしての自分にはできない大体のことはできるんじゃないかな。

 

もしアイドルじゃなくて、いわゆる一般人として生きていくと決めたなら、どうかSNSの公開アカウントは作らないでください。

あなたにそのつもりがなかったとしても、アイドルとしてのあなたの影を求めてあなたを放っておかない人間もいます。

あと、元アイドルって肩書きは特に誰も求めてないので、そうやって過去に縋って承認欲求を満たそうとするのもやめてください。そんなあなたは見たくないです。

 

 

なんて、散々好き勝手言っていますが、そんな簡単に他の道を選べないことはわかっているつもりです。

 

アイドルには大きく分けて二つの種類があると思います。

自分でアイドルになろうと決意してアイドルになった人、気付けばステージに立ってマイクを握っていた人。

どっちがどうという話をしたいわけではないし、どっちもちゃんとアイドルですよね。

 

前者のアイドルはもしかしたらやむを得ない事情があってその選択をしたのかもしれませんが、ほとんどはアイドルに憧れてアイドルを目指したんじゃないでしょうか。

だとしたら、多少なりともアイドルという存在に対しての愛やリスペクトやプライドを持っていると思います。

そういうアイドルはおそらくきっと、その愛を裏切ったりプライドに反することはしない、と思います。

後者のアイドルは、もしかしたら偶然ステージにたどり着いたのかもしれません。

でも、自分で望んでいないのにそこに立てたとしたら、それはもう運命と言ってもいいとわたしは思っています。

 

何が言いたいかと言うと、アイドルになる人って、そういう星のもとに生まれているんだと思います。

望んでいてもそうでなくとも、ステージに立つのは必然で、たくさんの人を愛し、愛されるために生まれてきたんだと思います。

 

何か他にやりたいこと、それは普通の恋愛かもしれないし、小さい頃に抱いた夢かもしれません。

それに手を伸ばしたくなった時、振り返って、今の自分を取り囲んでいるものに気付くと思います。

これまでの自分を応援してきてくれた人のことを考えると、アイドルを辞めるなんて選択はできないかもしれない。

 

アイドルの人生は、みんなのものです。

その一挙一動に意味が生まれ、なんとなくつぶやいた言葉がたくさんの人の人生に影響を与えるかもしれません。

時として人生の幕引きさえ物語の一部になる、それがアイドルです。

 

あなたたちの人生はみんなのもので、でもそれでいてもちろん、あなたたちのものでもあります。

わたしはもう十分幸せにしてもらって、楽しい時間を過ごせたから。

 

 

大好きなアイドルの、アイドルとしての最後が来た時に、今までありがとうって笑ってさよならを言いたい。

わたしもあなたたちの夢を叶える妨げになるようなことはしないように気をつけて応援するし、出来る限りその夢を応援したい。

あなたの描く未来にわたしがいなかったとしても、それは変わらない。

だからどうか、最後までちゃんとファンでいさせてほしい。

 

さっくり言ってしまえば、わたしはあなたを傷つけないからあなたもわたしを傷つけないでね、みたいな、そういう話です。

 

この長々としたお願いは、お願いというよりも多分呪いに近くて、こうであってほしいというわたしのワガママの塊です。

アイドルにはこうあってほしいけど絶対にそんなことはなくて、みんなバラバラで、だからこそ面白いし。

あと結構ボロクソ書いてるけど、自分の推しの言動によって考えてることコロコロ変わると思います。悪しからず。

 

 

ある星のもとに生まれた人たち、もとい、アイドルたちへ。

どうか、届きませんように。